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ご挨拶

 愛媛県内の特別支援学校には、痰吸引等の医療的ケアを必要とする児童生徒が約60名在籍していると報告されています(平成24年12月現在)。愛媛県内においても、特別支援学校において、教員が医療的ケアを担う体制が整い始めたところです。
 このように、医療的ケアへの対応は、現職教員の医療的ケアに関わる知識・技能の向上が必要でありますが、これから教員になろうとする大学生等にとっても大きな課題です。適切な医療的ケアを行うためには高度な専門性が必要ですが、特別支援教育教員養成カリキュラムにおいて、医学・看護学的知識・技能に関する授業は必修科目・選択必修科目として位置づけられていません。
 全国的にも、養護教諭養成カリキュラムにおいては、医療的ケアに関わる授業(「救急対応」等)が実施されていますが、特別支援教育教員養成カリキュラムとしては設定・実施されていないため、特別支援教育教員養成課程の学生は、特別支援学校の教員になった後も、医療的ケアに貢献することができていないのが現状です。
 上記の状況に対し、愛媛県、及び四国地域で教員養成課程を有する大学として、愛媛大学も社会的に貢献することが求められるとともに、教員養成課程において、卒業後に職務を全うできる知識・技能を有した人材(大学生、大学院生)を輩出することは、教育学部としての喫緊の課題と考えております。

事業代表者 教育学部 准教授 苅田知則

事業の概要

 重度の身体障害・知的障害を合併し、医療的ケアが定常的に必要な重症心身障害児とその家族が、安心・安全に学校や地域での生活を送るためには、保健医療福祉領域の専門職だけではなく、専門的知識・技能を有する特別支援学校教員が必要不可欠です。特に、医療的ケアについては教育現場でも知識・技能が不足しており、子ども・保護者、担当教員、学校看護師、養護教諭等にとって大きな負担となっています。
 本事業は、重症心身障害児の学校・地域での生活を支援するために、医療的ケアの専門的知識・技能を有する教員を養成するカリキュラム(授業・演習等)を開発することを目的とし、愛媛大学教育改革促進事業の助成を受け、平成25年度から事業を開始しています。大学に隣接する松山赤十字病院の皆様にもご協力いただき、特別支援教育講座教員、医学部看護学科教員が中心となって事業を推進しております。

重症心身障害児の医療的ケア等に対応できる特別支援教育教員の養成プログラム